大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(あ)259 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人浦田関太郎の上告趣意第一点、第二点はいずれも刑訴四〇五条の上告理由

に当らない。〔第一点所論起訴状には公訴事実第一として、要するに被告人は路上

においてAに対し被告人が真実専売公社の職員であつてその命に応じなければ如何

なる処罰を受けるかも知れないものと畏怖させ同人から煙草三〇〇個を交付させて

これを騙取したものである旨の記載があること所論のとおりであるが、その罪名は

恐喝、罰条は刑法二四九条一項と表示されていることも右起訴状の記載上明白であ

り、かつ、右公訴事実の記載において右のようにAを畏怖せて同人から煙草三〇〇

個を交付させたとの文言がある以上その末尾の「これを騙取し」との記載は「これ

を喝取し」の誤記であること明白というべく、しかも記録によれば、第一審第二回

公判期日において証拠調終了後検察官から騙取を喝取と訂正したい旨の申立があり

裁判所がこれを許可して喝取と訂正されたことが認められる(これに対し異議が申

し立てられた形跡も認められない。)。かような場合には右のように誤記の訂正を

するには訴因変更の手続を経ることを必要としないと解するを相当とし、従つて右

訂正に基いてした本件審判は違法ということができない。論旨は採用できない。〕

被告人の上告趣意は単なる事実誤認、量刑不当及び訴訟法違反を主張し、訴訟法

違反を前提として違憲を主張する。しかし、記録によれば、原裁判所が被告人に反

対尋問の機会を与えず或は不公平を疑われる虞ある審理をした形跡のあつたことは

認められない。また、原判決の判断は違法と認められないから原審審判の違法を前

提とする違憲の論旨は採用できない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致

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の意見で主文のとおり決定する。

昭和三三年四月三〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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